【コンガ】 発祥の地:キューバ
キューバ音楽にはなくてはならない花形楽器。
総称して「コンガ」と呼ばれるが、
ヘッド(皮)のサイズによってそれぞれ名前がついている。
・11インチ(28㎝)【キント】
・11-3/4インチ(30cm)【コンガ】
・12-1/2インチ(32㎝)【トゥンバドーラ】
ヘッドサイズが小さいタイコほど高い音が出る。
本場キューバではコンガ奏者のことを、「コンゲーロ」(conguero)と言う。
コンガ奏者にとって一番大事な奏法といえば、叩き分け。
ヘッドを押さえつけたり、叩き放ったり、強く叩くなどして音を変える(分ける)技術。
ヒール、トゥ、スラップ、ベーストーン、オープン、モフ、
以上の基本的な6種類の打音をマスターすると、
かんたんな音符を叩くだけで躍動感あふれる生きたリズムになる。
コンガの練習を繰り返し行うことにより、手で叩くほかの楽器にもすぐに対応できるので、
ハンドテクニックを磨くための入り口にふさわしいタイコ。
【ジャンベ】 発祥の地:セネガル、ギニア、マリなど西アフリカ一帯
叩く位置、叩く強さにより、1本のタイコで重低音から中音、
そして高音までの幅広い音域を得られる、完成度の高い大人気のタイコ。
セネガル出身のママディ・ケイタ主演映画のタイトルどおり、
ジャンベマスターのことを「ジャンベフォラ」という。
コンガの練習で行ったスラップ、オープン、ベースの主に3種類の打音を使って演奏する。
コンガに比べてヘッド(打面)が広く、その分サスティン(音の持続)があり、
放たれる音も大きい。 特にベーストーンはお腹にズドーンとくる迫力がある。
【ボンゴ】 発祥の地:キューバ
コンガ同様キューバ音楽には欠かせないタイコ。
小さい方のタイコをマチョ(Macho:男性)、
大きい方をエンブラ(Hembra:女性)と呼ぶ。
チューニング(皮を張ること)は、かなり高い音が出るように
ボルトを目いっぱい締め付ける。
ボンゴ奏者のことを「ボンゴセーロ」(Bongocero)と言う。
ボンゴは指先を使って叩く。ヘッドはカキンカキンに張ってあるため、
強く叩くとちょっと手が痛い。
しかし、パーカッションアンサンブルで盛り上がってくると、
手の痛さも忘れるぐらい気持ちよくなってくる。
【カホン】 発祥の地:ペルー
カホン【Cajon】は、スペイン語で箱の意味。
打面の裏にはスナッピー(響き線)を装着して、
単なる木箱に深みのある音が出るように工夫されている。
ジャンベ同様、低音から高音、
鈍い音から乾いた音まで幅広い音域を兼ね備えている。
見かけによらずバラエティ豊かで楽しい楽器。
コンガの練習でおこなう叩き分け、ヒール、トゥ、スラップ、オープンなどを駆使して演奏する。
他のタイコとは違い、カホンそのものに演奏者が座って腕を下げた状態で叩く。
打面の材質が木であるため、コンガとは少し触感が違う。
また、レスポンス(跳ね返り)も若干コンガより鈍く、違った感覚が味わえる。
【ティンバレス】 発祥の地:キューバ
コンガとならび、キューバ音楽の花形楽器。
ブラスシェル(金属の胴)にプラスチックのヘッドで作られている。
ドラムセットのスネアドラムに似ているが、
スネアのようなボトムヘッド(底面)もスナッピー(響き線)もない。
大きさの違う2つのタイコを並べるのが一般的。
通常小さいタイコは右に、大きいタイコは左にセットする。
タイコのパイラ(胴の部分)を叩き、リズムを刻むことがティンバレス奏者の基本的な仕事。
スティックを持った右手でカスカラ(cascara)と呼ばれるリズムを刻み、
左手はスティックを持ったまま2拍目と4拍目に指先でビートを入れたりする。
または右手でカスカラ、左手はソンクラーベ、
ルンバクラーベと呼ばれるビートをカウベルやジャムブロックなどで刻む場合もある。
あとは、ヘッドとフープ(タイコの枠)を同時に叩くリムショットというテクニックがある。
ティンバレス奏者がリムショットを多用し、ソロをはじめると一気に盛り上がる。
【カウベル】
牧場や農家などの牛の首に付けていた金属製の鐘(鈴)に由来する。
大小様々のカウベルがあり、最近では音を調律したものもある。
ボンゴ奏者は、曲が盛り上がってきたとき、
大き目のカウベルを使い演奏をする。
ホルダーなどに取り付け、ドラムスティックやティンバレススティックで叩く。
大きいボンゴカウベルなどは専用の太くて短いスティックで叩く。
大きいカウベルを手に持って叩く時は、持っている手の指でミュートしたり、
放したり、音にバリエーションを付ける。
【ウッドブロック】
お経を上げる時に叩く、木魚をヒントに作られたらしい。
硬い木に割れ目が入れてあるものや、
箱型のもの、丸い筒状のものなど…色々な形のものがある。
木でできているためカウベルの金属音よりは、やわらかい音がする。
これもスティックでたたくため、スティックコントロールができれば自由に叩ける。
叩いていると、とっても楽しくなってくる。