楽器の習得を挫折する要因

 

効果的なやり方で練習を続けていけば、上達することはわかっていながらも、
なぜ多くの人は途中で断念するのか。その一因を考えてみたいと思います。

 

 

まずは下の図をご覧ください。

 


 

 

習得度グラフ

 

 

このグラフは、ある心理学者の研究論文をもとに作成したもので、
【人間が物事を諦めてしまう時の図】です。

 

 

縦の軸は時間で、横の軸は行動・練習とします。
そして、@、Aの青と赤のラインは習熟度を表します。

 

 

本来は、@の青いラインのように、練習に費やした時間分の成果が得られると考えますから、
私たちが物事を習得することに期待する理想の上昇ラインになります。

 

 

しかし実際は、このように直線形的に成果が現れることはなく、
Aの赤いラインのような曲線を描きながらたどることがほとんどです。

 

 

これは楽器の練習に限ったことではなく、スポーツや武道、各競技、
仕事の技術や勉強も同様です。

 

 

頑張っても、結果が伴わないスランプに陥るとか、
なんとなく感覚的に理解できますよね。

 

 

「よぉ〜し!がんばる〜!!」 と、
一時的にモチベーションは跳ね上がり、練習を重ねても思うような成果が出ず、
次第にテンションが落ちていくのは誰でも経験することだと思います。

 

 

そして、「もう、や〜めた!」 と、最も心が折れやすい部分が、Bの黄色い箇所で、
見てのとおり、【実際の習熟度と習得を期待する心が一番かけ離れた部分】です。

 

多くの人は、このBの位置で止めてしまうということが想像できますね。

 

しかし、モチベーションを保ち練習を続けた人は、
いずれは期待する心とほぼ同じ位置に到達します。

 

 

もちろん、Aの赤いラインの曲線の描き方は人によって様々で、
練習を開始してすぐに上昇する人や、長い間低迷してても、
どこかの時点で急激に上昇することもあるでしょう。

 

 

私も大いに納得できることでございまして、
練習をやってもあまり成果を感じられないスランプの時期もありましたし、
逆に、さぼり気味にもかかわらず、急に上手くなったこともありました。

 

 

スランプを感じながらも練習を続けていけば、
いずれ到達点に達するというのは、ほぼ間違いないことなのですが、

 

 

ただ、その到達点というのを思い描いているのか、いないのか、
あるいは、どこに置いているのかでかなり変わってくると思います。

 

 

先ほど、赤ライン曲線の描き方は人によって様々だと言いましたが、
到達点によって大きく変わってくるのですね。

 

 

到達点、つまり目標を決めるということは、モチベーション維持の原動力になりますので、
持たないよりは持った方がはるかにいいです。

 

 

ただ、自分の心とあまりにもかけ離れた目標はダメで、
腑に落ちるものでなければなりません。

 

 

そして、固く決意するという重いものでも、かえってよくありません。

 

 

「一度決めたら、とことん突き進む!」というよりも、

 

 

「とりあえず、簡単なリズムが叩ければいいや」、という風に軽い気持ちで始めて、
なんだか知らないけど面白くなってきたので続けて練習して、
気が付いたら、あんなこともこんなこともできるようになっていた。

 

 

そんな感じの方が、長く続けられるように思います。

 

 

練習を続けていく過程で、【到達点】をその都度思い描いていけばいいと思いますし、
到達点は、編集も上書きも書き換えも自由なのです(笑)

 

 

続けていってはじめて分かることもありますし、考えが変わることはいくらでもありますから、
自分を縛り付ける、「足かせ」になるような到達点の決め方はダメですね。

 

 

軽い気持ちで始めて、続けていく中でドンドン上書きしていく、
そんな心持ちが理想的だと思います。

 

 

 

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