楽器には不思議な魅力があって、ひとたび入り込むと時間を忘れて没頭することがあります。
いつまでも延々とやって、気が付いたら、「あ、もうこんな時間か」、という感じですね。
この、「時間を忘れて没頭する」ところに上達の秘訣があるのです。
だからこそ、仕事や家事、学校の勉強など、
やるべきことと楽器の練習をしっかり区別しておくことが大事で、
練習を途中で遮断されることなく、自分の気が済むまでやることが良いのですね。
自宅でお構いなしに音を出しての練習では、
家族やご近所から文句がきて、強制終了ということにもなりかねませんし、
なによりも、クレームが入るんじゃないかという、
ビクビクしながらの練習など良いわけがありません。
音楽は感情、心理、精神面などメンタルの部分が大きく作用しますので、
やるべきことをきれいさっぱり片付けて、
よどみのない、「入り込める」状態にすることが大事なのですね。
よって、悪い練習は、
3番目については、やるべきことをやる途中での、
気分転換になる練習であるならば、かえっていいと思います。
あとは、「やらなきゃいけない」、という義務感を持ったマインドでの練習、
これも良いと思います。
そりゃあ、「練習したくてウズウズする」、
という渇望的自発マインドの方がいいでしょうけど、
義務感マインドでの練習は、だれでも経験していることであって、
たとえ義務感で始めても、やっているうちに没頭することが多いから大丈夫ですね。
ただ、義務感マインドが強すぎて、イヤイヤやるというのはよくないので、
そんな時は、しばらく何もしないで良いと思いますよ。
「練習したくてたまらない」、という気持ちがフツフツ沸いてきたらやればいいんです。
長期間継続する、ということを最優先したほうが良いんですね。
逆に良い練習は、
ということになります。
自宅で練習する時は、音を押さえるなどして他人を気遣い、スタジオやカラオケボックス、
広い公園や河原など、思いっきりはじけてもいい場所で思い切って鳴らすという、
その両方の練習をやることが、人前で演奏をするときに役立ちます。
演奏に必要な繊細さと大胆さが自然と身につくんですね。
公園での練習はおススメです。私は気候がいい時にやっていますが、とても楽しいです。
いろんな人たちが思い思いにスポーツやジョギング、ウォーキングを楽しんでいて、
ガヤガヤしている中で、楽器を鳴らそうが歌おうが、「やかましい!」と文句をいってくる人は、
ほとんどいません。
ただし、ベンチで寝ている人の近くではやらない方がいいとは思いますし、
楽器バンド演奏禁止というところも中にはあると思いますから、そういう場所ではできませんね。
どうあれ公園での練習は、人前で演奏する時にも役立ちます。
誰か彼か人がいますから、最初は人目を気にすることがあっても、
慣れてきて気にならなくなれば、ライブで堂々と演奏できる、
そういうメンタルの強化になります。
また、音につられて人が寄ってくることも多いので、
見ず知らずの人たちとコミュニケーションがとれるようになります。
こういうリラックスした時の自然な振る舞いが、ライブ演奏の時に役立つのですね。